『心の花』

『心の花』に大塚氏の日本服の美術的価値といふ演説筆記がある。この中に西洋の婦人服と日本の婦人服とを比較して最後の断案が[#ここから2字下げ]始終動いて居る優美の挙動やまた動くにつれて現はれて来る変化無限の姿を見せるといふ点で日本服はドウしても西洋服に勝《まさ》つて居ります[#ここで字下げ終わり...

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隣の赤児《あかご》泣く

 この頃の短夜《みじかよ》とはいへど病ある身の寐られねば行燈《あんどん》の下の時計のみ眺めていと永きここちす。 午前一時、隣の赤児《あかご》泣く。 午前二時、遠くに※[#「奚+隹」、第3水準1-93-66]聞ゆ。 午前三時、単行の汽缶車《きかんしゃ》通る。 午前四時、紙を貼《は》りたる壁の穴...

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牡丹《ぼたん》の俳句

 先日|牡丹《ぼたん》の俳句を募集したる時「ぼうたん」と四字に長くよみたる句の殆ど過半数を占めたるは実に意外なりき。いつの間にかく全国にこの語がひろがりけんと驚かるるのみ。されどこの語余には耳なれぬ故いづれの句も皆変に感じたり。或人いふ蕪村《ぶそん》既にこの語を用ゐたれば何の差支《さしつかえ》もある...

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